前回のポストの続きです。
3~5歳の子どもには、次のような特徴があります。
四つ目は、記憶のスパンが短いということです。一度に覚えられる量が少なく、また覚えていられる期間も短いのです。記憶から別居親が消えないようにするためには、頻繁に面会交流の機会を設定する必要があります。
以前のポストの繰り返しになりますが、子どもの成長にとって、父親と母親のいずれも重要な存在です。したがって、別居親の記憶を失くさないように配慮することは、極めて大切なことなのです。
五つ目は、親の離婚に対する怒りを抱えるということです。別居親に対して、自分を見捨てたと怒りを持つことがあります。また、怒りの向こう側に、「自分は見捨てられた子どもである」という、癒し難い傷つきと悲しみが残ります。
怒りの表現は、男女で異なる傾向があると考えられています。子どもが女の子の場合は、抑うつ的になったり、自傷行為につながったりします。男の子の場合には、友人など周囲の人間への攻撃につながったりします。
3歳~5歳くらいの子どもにも、子どもに分かる言葉で、両親の離婚の決意を伝えた方がよいと言われています。その際に役に立つ方法として、本を子どもに読み聞かせるというやり方があります。棚瀬(2010)では、『モモちゃんとアカネちゃん』(講談社)が紹介されています。「好きで一緒になったが、一緒に暮らす限り、どちらも幸せには生きていけない」ということが扱われているとのことです。
参考文献:棚瀬一代(2010) 離婚で壊れる子どもたち 光文社新書
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