前回のポストの続きです。
3~5歳の子どもには、次のような特徴があります。
三つ目は、退行(赤ちゃん返り)が見られるということです。
3~5歳になると、対象恒常性といって、保護者(養育者)のイメージを自分の中に保てるようになります。平たく言えば、お母さん(お父さん)のイメージを心の中に保つことが出来るので、離れていても心配にならないで済むわけです。
ところが、この時期に親が離婚したり、片親と別居することになると、もう一方の親もいなくなってしまうのではないかという不安が強まります。この不安から自分の心を守るために、退行(赤ちゃん返り)が起こります。
幼稚園に行き渋ったり、母親にしがみついたり、赤ちゃん言葉を話したり、指しゃぶりをしたり、夜泣きをしたり、といったことが起こってくるわけです。
こうした退行(赤ちゃん返り)は不安によるものですから、不安を和らげてあげることが大事です。子どもにわかるような簡単な言葉で、安心させてあげるのがよいでしょう。
つまり、「親は離婚するが、同居親も別居親も親であり、子どものことを責任をもって守るので、心配はいらない」ということを伝えてあげると、退行(赤ちゃん返り)はしなくなるでしょう。
また、落ち着くまで抱きしめてあげる、よしよしと撫でてあげるなど、身体的な接触をすることも、不安を和らげるのに有効です。
参考文献:棚瀬一代(2010) 離婚で壊れる子どもたち 光文社新書
Comments