前回のポストでは、起立性調節障害の3割が不登校を併発していることを述べました。
起立性調節障害だと考えられる生徒の親御さんと面接をしていると、「そういった症状があるのは理解出来るが、本当にうちの子もそうなのか。うちの子の場合は、ただの怠けなのではないか?」とおっしゃる方が少なくありません。
怠けというのは気持ちの問題ですが、朝起きられないのは、身体の問題なのです。見た目にはわかりにくいので、しんどさやつらさが理解しにくいところが、起立性調節障害の難しいところです。
朝、辛そうにしていたり、起きられなかったりするけれども、夕方には元気になって、夜には自室で踊り狂っている、などという様子を目の当たりにすると、親御さんが「怠けているだけなんじゃないか」と疑われるのも無理からぬことのように思えます。が、実際はそうではないのだというところを、はっきり頭の中に置いておいていただきたいです。
親御さんが子どもの症状を「怠け癖」や、ゲームやスマホへの耽溺、夜更かし、学校嫌いなどが原因だと考え、叱責したり朝に無理やり起こそうとして、親子関係が悪化することが少なくありません。
起立性調節障害には、心理社会的ストレスが関与すると言われています。学校におけるストレスや、家庭におけるストレスが影響するということです。また、身体が辛いのに登校しなければならないという圧迫感が、さらに病状を悪化させると言われています。
そのため、起立性調節障害の治療の1つ目に、疾病教育(心理教育)が挙げられています。本人と保護者に対して、「起立性調節障害は身体疾患であり、根性や気の持ちようだけでは治らない」ことを理解していただくことが重要です。
参考リンク :日本小児心身医学会 起立性調節障害 http://www.jisinsin.jp/detail/01-
tanaka.htm
:福岡地区小児科医会 丹々会 http://tantankai.com/Disease.php?id=8
:起立性調節障害サポートグループ https://www.od-support.com/
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