ところで、その後の研究から、内発的動機付けは自己有能感と自己決定感から構成されていることが分かりました。
自己有能感とは、自分が有能であるという感覚です。「出来る」と思える、ということです。ヴァイオリンなんて弾けないけど、触ってみたら音くらいでるでしょう、と思えたら、触ってみるでしょう。
一方で、パソコンなんて分からない、触ったら壊してしまうんじゃないか、自分には到底扱えない、と思ったら触らないでしょう。
また、自己決定感とは、自分で決めているという感覚です。人からやりなさいと言われているのではなく、自分でやろうと決めてやっているということです。
自己有能感と自己決定感を低めないことが重要です。
「肩をたたいたら100円あげる」という風に報酬を与えてしまうと、自己決定感が損なわれてしまいます。自分がやりたくてやっているのではなく、「お金が欲しければやりなさい」と選択を迫られることになるのです。
参考文献:碓井真史(1992)内発的動機付けに及ぼす自己有能感と自己決定感の効果
社会心理学研究, 7(2), 85-91.
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