感情労働が心に負担を与えているという現象理解のキモは、「感情労働をしたいと思っているのに出来ない」というポイントでした。
であれば、直観的には、「感情労働をしたいと思っているのに出来ない」要因、すなわち阻害要因を取り除こうと考えられます。
そのためには、阻害要因を特定する必要があります。
が、これがなかなか難しいというのが、実感するところです。
特に、組織にまつわる仕組みや対人関係上のトラブルは、一朝一夕でどうこうならない問題も少なくなりません。
実情を踏まえた上で、そこで何が出来るのかを考えていくというのが、現実的なアプローチであり、工夫のしどころかなと思います。やれることを一つずつ、粛々とやっていくというイメージです。
こんな風に書いてしまうと、「じゃあ感情労働で負担を感じている人は、やれることをやっていないというのか!」とお叱りを受けるかも知れません。そうではなくて、感情労働で負担を感じる状況が維持されている仕組みを一つずつ解き明かしていくことが重要だと考えています。
例えば、hochschild の例では客室乗務員の例などが挙げられますが、すべての客室乗務員が同等の負荷を感じているわけではありません。人によって、負荷の程度が異なります。そこで、何が負荷の程度を分けているのか? どうすれば負荷を軽減することが出来るか? などの問いを立てていくことが可能になります。
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