top of page
ypi-yabugaki

報酬と内発的動機付け 1

 ちょっと資料は古いのですが、面白かったので書きます。


 自発的に何かをしている人に対して、報酬を与えてしまったら、自発的にやらなくなった、という話です。


 お母さんの肩をたたいてあげたとしましょう。特に理由や目的はなくて、そうしてあげたいからしたのです。が、お母さんは、お礼にお小遣いといって100円をくれました。


 後日、また肩をたたいてあげたのですが、その時は100円をもらえませんでした。そうすると、なんだかやる気がなくなって、もうお母さんの肩をたたいてあげようとは思わなくなってしまうのです。


 ここでの「お小遣い」は、外発的動機付けと呼ばれるものです。報酬をあげるから肩をたたいてよ、というものです。


 もともとは自発的に肩をたたいてあげようと思っていたのですが、お小遣いをもらってしまったが故に、お小遣いをもらえないんだったら肩をたたかなくていいや、となってしまったのです。つまり、報酬が内発的動機付けを低めてしまったのです。


 ですので、「モノで釣る」というのは良くないのです。

閲覧数:31回0件のコメント

最新記事

すべて表示

報酬と内発的動機付け 2

ところで、その後の研究から、内発的動機付けは自己有能感と自己決定感から構成されていることが分かりました。 自己有能感とは、自分が有能であるという感覚です。「出来る」と思える、ということです。ヴァイオリンなんて弾けないけど、触ってみたら音くらいでるでしょう、と思えたら、触って...

感情労働 emotional labor 3

感情労働が心に負担を与えているという現象理解のキモは、「感情労働をしたいと思っているのに出来ない」というポイントでした。 であれば、直観的には、「感情労働をしたいと思っているのに出来ない」要因、すなわち阻害要因を取り除こうと考えられます。...

感情労働 emotional labor 2

前回のポストでは、感情労働について概観しました。 ここで、非常に興味深い論文をご紹介したいと思います。三橋(2008)は、感情労働とバーンアウトの関連について、「感情労働をすることで燃え尽きるという因果連関に強い疑義が呈された」と主張します。感情労働をすることそれ自体ではな...

Comments


bottom of page