私たちには、記憶があります。あの時こんなことがあったナ、という風に思い出すことが出来ます。それは、まるで過去に起こった真実の出来事であるかのようです。
ですが、心理学においては、記憶というのは実際に過去に起こった事柄や出来事を思い出しているのではなく、再構築しているのだという風に考えられています。つまり、「記憶=過去に実際に起こったこと」ではない、ということです。
小さい頃のことを思い出してみて下さい。そうすると、例えば、小さかった自分がソファで飛び跳ねている様子が思い浮かびます。斜め上から俯瞰しているような映像が頭に浮かびます。まるでビデオの録画データのようです。
しかし、実際には、そんなことはあり得ないのです。ソファで飛び跳ねているのは自分ですから、自分が持っている記憶は、自分から見た視点の映像であるはずなのです。
(ちなみに、自分を俯瞰した視点から見た記憶が無い方もいらっしゃいます)
過去の記憶は、情報として頭の中にしまっておいて、それが必要になったり刺激された時は、引き出して再構築する、というのが、心理学における記憶についての主流な考え方になります。
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