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ypi-yabugaki

裏目に出る会話 4

 前回の続きで鵜。


 それでは、A君が勉強をすることにつながるような声掛けとは、いったいどのような声掛けなのでしょうか。


《動機付け面接》という面接技法があります。そこでは、次のような声掛けが有効だと考えられています。


1.「あなたはなぜ、勉強することを望むのですか?」

2.「勉強するためには、どのように進めたらよいでしょうか?」

3.「勉強をしたい理由のうち、ベスト3はどのようなものですか?」

4.「勉強することはあなたにとって、どれくらい重要ですか? そして、なぜ?」


 これらについて、A君の考えを、敬意をもって聞くことが重要です。助言は不要です。ここがコツかも知れません。つい助言したくなる人が多いのですが、その助言はほとんどの場合、裏目に出ます。


 これらについて、A君に話をして貰った後で、次の質問をします。


5.「それでは、あなたは自分がこれから何をするだろうと考えますか?」


 勉強云々のくだりを一般化すると次のような質問形式になります。


1.「あなたはなぜ、この変化を望むのですか?」

2.「成功するためには、どのように進めたらよいでしょうか?」

3.「それをやりたい理由のうち、ベスト3はどのようなものですか?」

4.「この変化はあなたにとって、どれくらい重要ですか? そして、なぜ?」

5.「それでは、あなたは自分がこれから何をするだろうと考えますか?」


 これが、変容をもたらすための声掛けの仕方になります。


参考文献:ウィリアム・R・ミラー、ステファン・ロルニック(2019)動機付け面接<第3版>上 星和書店.

 

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