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裏目に出る会話 3

  • ypi-yabugaki
  • 2020年9月18日
  • 読了時間: 1分

 前回の続きです。


 それでは、同じ仕組みを利用して、「勉強しなくていいんじゃない?」と声をかけた場合を考えてみましょう。A君の頭の中で、「悪魔側の意見が増えたから、天使側の意見を増やさなければ!」とはなりません。


 何故ならば、現状、勉強をしていない状態だからです。


 勉強をしていない状態で、天使と悪魔の意見が釣り合っているのが現状です。悪魔側の意見が増えたら、天使側の意見を増やそうという動きは起こりますが、それが勉強を始めるほどの強さかどうかは分かりません。意見を釣り合わせて終わりだとしたら、現状維持のまま、つまり勉強をしていない状態が続くわけです。


 また、そういったA君の様子に業を煮やして、「勉強しなくていいんじゃない? と言ったけど、やっぱり勉強した方がいいんじゃない?」などと言い始めると、「天使側の意見が増えた! 悪魔側の意見を増やさなければ!」となります。


 つまり、勉強をしなさい、あるいは勉強をやめなさいといった声掛けは、A君が勉強をすることにはまったくつながらない声掛けなのです。

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