不眠の症状に対しては、睡眠薬による投薬治療が行われます。睡眠薬と一口に言っても、その成分や狙いとする効果は様々です。入眠を助けてくれる薬や、途中で目が覚めないように眠れる薬など、症状や状況に応じて医師が処方してくれます。
現代の睡眠薬は、一昔前と違って、依存性などの観点で安全なものになっています。どういった種類の薬をどれくらいの量服薬するのか、またどうやって減らしていくのかについて、医師の指導を受けながら睡眠薬の使い方を決めることが出来ます。
お子さんが小学生や中学生で、睡眠薬を使うことに抵抗を覚える方もおられます。そういった方の場合は、薬以外のところで睡眠の質を改善するための工夫をします(もちろん、投薬治療の方も、こういった工夫を組み合わせることが可能です)。
寝室の環境、睡眠の習慣、そして嗜好品の使い方を考える、というのが工夫の内容です。嗜好品とは、コーヒーや紅茶などを指します。
寝室は完全に暗くして、日光を遮断しましょう。テレビやラジオを点けたまま眠る方がおられますが、これはよくないです。アイマスクを着ける、遮光カーテンを取り付けるなどの工夫が出来ます。また、騒音がある場合は、耳栓をしましょう。エアコンを使って、温度を管理するのも役立ちます。
睡眠の習慣も、見直すべきポイントがあるかも知れません。毎日同じ時刻に起床すること、眠る以外の目的でベッド・ふとんを使わない、昼寝をしないこと、就床時間にこだわらないことが大事です。また、眠れない時には、無理に寝ようとしないことも大切なポイントです。焦ったり不安を感じれば感じるほど、ますます眠れなくなります。
コーヒーや紅茶など、カフェインが含まれるものは、夜は飲まないようにしましょう。カフェインが含まれる飲み物を飲んだ場合、血中の濃度が最大になるのは30-45分後とされています。また、半減期(血中濃度が半分になるまでに必要な時間)は約5時間とされています。
このような物質の影響は、体重と比例します。例えば中学生は成人に比べ、まだ体も小さく体重が軽いので、同じ量を摂取した成人よりもカフェインの効果が出てしまいます。
これらのポイントを見直すことで、睡眠の質の改善が期待出来ます。
参考リンク: 厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 睡眠障害
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_sleep.html
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