睡眠に何らかの問題がある状態を、睡眠障害といいます。睡眠障害の症状は大きく分けて、1.不眠、2.日中の過剰な眠気、3.睡眠中に起こる異常行動や異常知覚・異常運動、4.睡眠・覚醒リズムの問題、の4つにまとめられます。
睡眠障害は、1つの原因や病気だけでなく、複数の要因が重なって起こってくることもあります。ですから、睡眠の何が問題なのか、原因は何なのか、主観的な症状は何かといったことを整理し、客観的情報を加えて検討することで、適切な治療が行えるようになります。
不登校の生徒の場合、睡眠障害としては、不眠と、睡眠・覚醒リズムの問題が多くみられる印象です。
不眠とは、寝つきの悪さ、途中で起きてしまい再入眠出来ない(中途覚醒)、朝早く起きてしまう(早朝覚醒)、熟睡出来ない、といった症状を指します。
睡眠・覚醒リズムの問題は、適切な時刻に入眠できず、希望する時刻に起床することが出来ない、といった症状を指します。
高校生の不登校生徒の31%が入眠障害、24%が中途覚醒、53%が悪夢といった症状を示し、24%が不眠で辛い思いをしているという報告(増田, 2010)があります。小学生26名、中学・高校生54名の計80名を対象とした調査の結果、60%に睡眠障害が認められたという報告(鈴木・岡山・大日向・佐々木・松本・黒田・荒木・高橋・東, 2017)もあります。
つまり、不登校の生徒の多くは、睡眠にまつわる何らかの症状を経験しているということが分かります。
参考文献: 増田(2011)不登校と睡眠障害について 心身医学.
鈴木・岡山・大日向・佐々木・松本・黒田・荒木・高橋・東(2017)不登校と
発達障害:不登校児の背景と転帰に関する検討 脳と発達.
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