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技法:リフレーミング

 リフレーミング Reframing という家族療法の技法があります。


 これは、Re(再び)+ Frame(枠) + ~ing(名詞形)、つまり「枠づけをし直す」という意味の言葉です。


 平たく言えば、A という事柄は、見方を変えると B という風に捉えることが出来る、ということです。


 もう少し、具体的な例を挙げてみます。休日に、夫は一日中ゴロゴロして怠けている、と妻が認識しているとしましょう。「夫がゴロゴロしている」、これは妻が観察した夫の行動です。それに対して、「夫が怠けている」というのは、妻が夫の行動に対して付与した意味です。


 これを、別の立場から捉えなおして(枠づけをし直して)みましょう。夫は自分自身の行動に対して、「週明けからの出勤に備えて身体を休めている」と意味づけるかも知れません。


 どちらが正しいということはありません。どちらも正しいのです。「夫がゴロゴロしている」という「観察された行動」に対する意味づけの仕方が、妻と夫で異なっているのです。


 絵画は、額縁を変えると、その印象をガラリと変えてしまいます。同じ絵なのに、見え方がまったく変わってしまうのです。


 まったく異なる枠づけの仕方に目を向けることで、人は認識を変えたり広げたりすることが出来るようになります。家族療法家は、治療的な効果をもたらすために、このことを利用しています。

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