学会で発表をしてきました。
公開スーパーヴィジョン
藪垣将(2020)治療的アセスメントを援用したジェノグラムの活用. Supervisor 森野百合子先生.
ジェノグラムは、家族療法家のみならず、今や心理療法を行う人が多用するツールとなっています。記号を用いて、関係者や関係性を図示していく中で、様々な情報が明確化・可視化されます。
一方で、どのように情報を集めていくかについては、ケースによって個別性が高いので、これまでほとんど言及されてきませんでした。
今回、私は、ジェノグラムをより効果的に使う際には、治療的アセスメントの考え方・哲学を採り入れるとよいのではないかという趣旨で、発表致しました。治療的アセスメントの半構造化された手続きを完全に踏襲することは出来ないが、エッセンスを意識して用いることで、闇雲にジェノグラムを使うよりも効果的な活用が出来るのではというアイディアです。
1.ジェノグラムをClとThがともに作成していくプロセスそれ自体が協働的であるということ、2.他の心理検査の結果とジェノグラムを行ったり来たりする中で探索が深まっていくこと、3.ジェノグラムから得られた情報をフィードバックするのではなく「まとめと話し合い」をすることで展開するプロセスがあること、などを具体的に示しました。
森野先生のスーパーヴィジョンは、素晴らしいの一言でした。私がどういったことを考えてケースを進めていったのかということを、丁寧に汲み取っていただけたような感覚を持ちました。私の指導教員だった、中釜洋子先生のスーパーヴィジョンを思い出しました。もう二度と、こういった感覚を持てるスーパーヴィジョンを経験することはないだろうと思っていたので、感動しました。
100名近くの方にご覧いただいたのですが、オーディエンスの方々からコメントをいただけたのも、とても嬉しかったです。なかなかZoom上だと、感想やコメントなどいかがですかと振られても、発言するのにハードルが高いと感じる人が多い中、何名もの方からコメントをいただけたというのは、私が発表したいと思っていることが伝わった手応えの現れであるような気がしました。
ふだん、一緒に仕事をさせていただいたり、関わりを持たせていただいている仲間からも、たくさんメッセージをいただきました。かなり勇気づけられました。また引き続き、研鑽を積みたいと思います。
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