日本家族療法学会という学会があります。私が所属している学会です。もともとは、日本家族研究・家族療法学会という名前でしたが、一般社団法人化に伴い、名称が変更されました。
何故「家族研究」という言葉が含まれていたかというと、家族療法の歴史に「家族の研究」がたいへん重要な役割を果たしたからです。が、そのことはまた別の記事で扱うことに致しましょう。ちなみに、どうして「家族研究」をなくしてしまったのか。単に学会の名前をスッキリさせたかったのでは、と予想します。
家族療法学会は、『日本家族療法学会認定ファミリーセラピスト』という資格制度を始めました。この資格を持つということは、「家族療法の主たる理論を把握して、研鑽を積んでいますよ」ということを学会が認定してくれるということになります。
前置きが長くなりました。
認定ファミリーセラピストの取得要件の一つとして、学会が主催する「家族療法基礎講座」プログラム全9回を受講する、ということがあります。これが、家族療法の分類を考える上で役に立つと思われるわけです。
コロナウィルスの影響でキャンセルになってしまいましたが、予定されていた2020年度の「家族療法基礎講座」のテーマは次の通りでした。
1.家族療法概論――基礎理論と歴史
2.多世代伝達モデル
3.構造的モデル
4.ミラノ・システミック・モデル
5.コミュニケーション・モデル
6.対象関係論的・力動精神医学的モデル
7・ナラティヴ・セラピー
8.家族心理教育
9.バイオサイコソーシャル・モデル
1回目の概論はさておくとして、家族療法と一口にいっても、色々なモデルや理論があることが見てとれると思います。
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