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トラウマ・インフォームド・ケア2

 前回のポストの続きです。


 3つ目は、《コントロールの再構築》です。トラウマ的な状況下では、コントロールが失われることがあります。自分に選択肢はなく、どうしようもないと思ってしまうわけです。


 そこで、選択することの重要性が強調されます。選択をすることで、自分で自分の人生の舵を取り、自己効力感を再構築していくことが可能になります。


 4つ目は、《ストレングスに基づいたアプローチ》です。ストレングスとは、強みのことです。TIC は、何か欠けたものがあるというよりも、有している強みに焦点を置きます。


 被支援者が自身の強みに気づいてそれを理解し、対処スキルを発展させていくことを、支援者はサポートします。


 以上をまとめて、Hopperら(2010)は次のようにまとめて、TIC を定義しています。


 トラウマ・インフォームド・ケアとは、強みに焦点を当てる枠組みであり、トラウマへの理解と、トラウマによるインパクトへの反応に基づくものである。TIC では、支援者および被支援者の双方にとっての物理的、心理学的、情緒的な安全性が強調される。それは、トラウマ・サバイバーが力づけられ、コントロール感を再構築する機会を生み出すものである。


 参考文献:Hopper, E. K., Bassuk, E. L., and Olivet, J. (2010) Shelter from the Storm: Trauma-Informed Care in Homelessness Services Setteings. The Open Health Services an Policy Journal, 3, 80-100.

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