この年齢の子どもに生じるさらなる問題として、分離不安の再燃があります。
以前述べたように、3~5歳の子どもは<対象恒常性>を持っていないので、自分が幼稚園に行っている間に同居親もいなくなってしまうのではないか、と考えたりします。
9~12歳の子どもの場合は、既に<対象恒常性>を獲得しているので、自分が学校に行っている間に同居親がいなくなるのでは、という風には考えません。しかし、何らかの理由で同居親が突然死んでしまうことを怖れる、といったことが起こります。
また、子ども自身が頻繁に事故に遭うというようなことも起こります。まるで、「自分が事故に遭ったら、皆が自分に注意を向けてくれて、自分のことをケアしてくれるかも知れない」と無意識に思っているかのようなことが起こります。
同居親と別居親の間に良い関係を保てていれば、ゆとりを持つことが出来て、子どもにとっても親にとっても良い結果になります。
何らかの必然性があって親が離婚を選択するのですが、同居親が別居親と一緒に子育てに協力するというのは、夫婦関係とは異なる点で、離婚を選んだ親の子どもに対する責務であると言えるでしょう。
参考文献:棚瀬一代(2010) 離婚で壊れる子どもたち 光文社新書
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